コールセンターでも、顧客満足度調査を行うことは重要です。
顧客満足度が高いほど、企業の信頼度も向上し、売上や利益にも影響を与えます。
顧客満足度をしっかり調査するのも大事ですが、得た調査結果を顧客満足度を向上させるためにどのように活用していくかが重要です。
今回は顧客満足度の調査方法と、どのように満足度を向上させることができるか紹介いたします。
目次
1.コールセンターの満足度調査を行う際の指標
∟1-1.CS(顧客満足)
∟1-2.CX(顧客体験)
∟1-3.NPS(顧客推奨)
2.コールセンターでの顧客満足度を高める方法
∟2-1.オペレーターの品質を向上させる
∟2-2.顧客向けのFAQの整備
3.顧客満足度を高める際の注意点
∟3-1.オペレーターに負担をかけ過ぎない
∟3-2.費用も考慮する
まとめ
1.コールセンターの満足度調査を行う際の指標

コールセンターでの満足度調査を図るためには、指標について把握しておく必要があります。どのような指標を押さえておくべきなのか内容を紹介しましょう。
1-1.CS(顧客満足:customer satisfaction(カスタマー・サティスファクション))
CSを高めていくことで売上やサービス向上の重要なポイントとなります。コールセンターの対応がよいことにより、会社や商品の魅力UPにつながるということも多々ありますし、逆に対応が悪いために、お客様が離れていってしまうということもあります。
コールセンターは単純にお客様の問合せに対して回答するコストセンターだという認識も多いですが、最近ではお客様の接点の一つとして、会社のイメージアップや顧客満足度を高めるための手段として使用される例も増えてきています。
CSの測定方法ですが、コールセンターの場合は、問い合わせしてきたお客様が問題を解決できたかや、解決までにかかった時間、オペレーターの対応などによって満足度が変わります。調査方法はアンケートや直接的なヒアリングなどの方法がありますが、アンケート方法も自動音声を使用したり、録音してもらったものを自動で文字化したりと、会社によってさまざまな評価方法があります。
評価方法はお客様からの回答内容を5段階などランク付けして、評価していただくことによって数値化が可能です。定型的な質問だけでなく、お客様に自由に発言してもらい、具体的な意見や要望を合わせて述べてもらうと、思わぬ発見があり、何が問題になっているのか内容を把握しやすくなることもあります。
1-2.CX(顧客体験:Customer Experience (カスタマー・エクスペリエンス ))
CXは主に製品やサービスを利用する中で得られる感動や喜びなど、顧客が感じた心理的数値です。
顧客が実際にサービスや応対に対して感動していると、品質も良く、満足していると感じるため、コールセンターでは指標とすべき調査です。調査方法はアンケートやインタビュー、ミステリーショッパーなどがあります。
CXの数値が高いなら、顧客は会社に対して特に悪い印象を持っていないため、上記で紹介したCSにも繋がります。
逆に数値が悪いなら、コールセンターの場合オペレーターの対応や接続機器などの不良などが考えられるため、見直しが必要となり、これらを改善していく必要があるといえます。
1-3.NPS(顧客推奨:Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア))
NPSは顧客ロイヤリティを表す指標であり、製品やサービスを知人におすすめする可能性を数値化しています。コールセンター業界では有名な指標であり、評価の基準に使用している会社も多数あります。
測定方法は、お客様にたった一つの質問「このサービスを友人に紹介したいか」を0~10で評価してもらいます。その点数を以下のように振り分けます。
9~10点を付けた顧客を「推奨者」、7~8点を「中立者」、0~6点を「批判者」
これらを以下の式で計算します。
推奨者の割合から批判者の割合を引きます。 例えば、全回答の10%が批判者、20%が中立者、70%が推奨者であった場合、NPS スコアは70-10=60となります。 NPSの範囲は-100から100までです。
上記が基本となっていますが、質問内容を少し会社ごとに変更して運用しているところもあります。
誰かに勧めたい数値であり、NPSが高いほど企業への愛着や信頼もあると分析できます。
コールセンターへの対応や話し方などに満足していればNPSの数値も高くなってくるはずです。
2.コールセンターでの顧客満足度を高める方法

コールセンターで顧客満足度を高めるためには、数値の調査も大事ですが、向上させるための方法についても把握しておくべきです。どのような方法を活用すると顧客満足度を高められるのか、内容を紹介しましょう。
2-1.オペレーターの品質を向上させる
コールセンターで顧客満足度を上げるためには、オペレーターの品質を向上させるのが重要になります。
オペレーターの対応力や知識などが向上すると、顧客満足度や信頼度も向上するため、1番力を入れておくポイントです。ただ、品質向上を求める際は押さえておくべき点もあり、特に以下3つの分野を重視すべきです。
- 正しい言葉遣い
- 商品やサービスの知識
- 顧客への対応力
オペレーターの育成には、基本としてお客様への言葉使いや正しい知識によるスムーズな対応などが重要になります。よくあるのが、これまで自身が敬語と思って話している話し方でも「バイト敬語」といわれるような話し方などがあり、正しい日本語の敬語とは異なるものが多数あります。これらを一度座学できちんと学ぶ機会を設けるのもよいでしょう。
また電話でいきなり実践で覚えてくださいなどとしてしまうと、対応したことのないパターンが出てきてしまった場合にお客様への対応が悪くなってしまいます。よって事前にある程度想定できる質問や対応に関しては、ロールプレイングを実施することにより練習しておくと本番でも焦ることなく対応することができます。
知識と練習、どちらかだけでなく、この組み合わせが重要となります。
また実務の内容を基に、SVからオペレーターへモニタリングを実施し、内容のフィードバックを実施したり、目標設定などを行い、定期的な品質のチェックの実施をお勧めします。
2-2.顧客向けのFAQの整備
顧客満足度を向上させるには、FAQの整備をしておくのも大事です。顧客としてはすぐに問題を解決したいため、コールセンターへの問い合わせをする前に、HP上のFAQやチャットを利用して、自身でスピーディーに解決できれば満足度も高くなります。
また自己解決率の向上は、入電の削減にもつながり、コスト削減にもなりますので、会社にとっても重要なタスクとなります。
よくある質問や簡単な要件は、FAQやよくある質問などとして用意しておき、スマートフォンやパソコンから直ぐに自己解決できるようにコンテンツを揃えておくといいでしょう。
もし、多少複雑な問題でも動画をコンテンツとして用意しておけば、すぐに問題解決できるケースも増えるため導入している企業も増えてきています。
3.顧客満足度を高める際の注意点

顧客満足度を高める際は、注意しておくべきポイントもあります。何があるのか内容を紹介しましょう。
3-1.オペレーターに負担をかけ過ぎない
顧客満足度を高めるために、オペレーターに負担をかけてはいけません。仕組みや教育などできちんとオペレーターをフォローせずに、資料だけ渡してあとはよろしく・・・などとしてしまっては、顧客満足度が向上することはありません。
このCSとEX(Employee Experience)との関係についても近年いろいろな書籍を見かけるようになってきました。
また要求が多くなるとオペレーターは精神的なストレスが大きくなり、給料に見合わないなどの原因で離職される可能性があります。これではいつまで経ってもよいオペレーターは育つことがありません。満足度を高める方法とオペレーターへの要求についてバランスの取れた見方をして、体制を整えるようにしましょう。
また最新情報は常に情報共有することも重要です。知らない情報や聞いていない情報があると回答できず負担になります。特にトラブル発生時は、問合せ件数も多くなりますので一次対応方針だけでもすぐに情報共有することが重要です。
またこの共有方法についても、商品の情報量の多い会社ほど相違工夫する必要があります。
3-2.費用も考慮する
満足度を高めるためには、費用が発生するケースもあります。例えば、モニタリング関連で新たな機器を用意する、FAQを充実させるために様々なコンテンツを導入する、指標の分析やアンケート作成で外部委託するなどです。
費用には予算があるはずですので、企業として大きな負担にならないかチェックして優先順位をつけて計画を進めていくようにしましょう。
まとめ
コールセンターの満足度評価は企業の評価につながるため、ポイントを押さえて、観測しておく必要があります。
費用やオペレーターの負担など、様々な点で検討しながら、顧客満足度向上を目指しましょう。お客様、コールセンター、会社にとって三方よしとなる方法がきっと見つかるはずです。
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