コールセンター外部委託のデメリット10選!解決策もあわせて紹介

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コールセンターの外部委託にはデメリットがあります。企業の「顔」とも言われるコールセンターだけに、アウトソーシング先の決定には慎重な判断が必要です。

この記事ではコールセンター業務を外部企業へ委託するデメリットやその解決策についても紹介します。

目次

1.コールセンターの外部委託とは?メリットは何?
∟1-1.コールセンターの外部委託(アウトソーシング)とは?
∟1-2.コールセンターを外部委託できる業務は?
∟1-3.コールセンターを外部委託するメリットは?
2.コールセンターを外部委託するデメリット10選&対策方法
∟2-1.自社にノウハウが蓄積していかない
∟2-2.直接的な指導改善が難しい
∟2-3.柔軟な対応が難しい
∟2-4.情報連携ミスのリスクがある
∟2-5.情報漏洩のリスクがある
∟2-6.一定のコストはかかる
∟2-7.立ち上げやメンテナンスの準備には労力がかかる
∟2-8.組織としての一体感は生まれにくい
∟2-9.高度な専門知識を必要とする業務は不向き
∟2-10.委託先の選定や見極めの手間
まとめ

1.コールセンターの外部委託とは?メリットは何?

1-1.コールセンターの外部委託(アウトソーシング)とは?

コールセンターの業務は、オフィス設備・システム・スーパーバイザーやオペレーターなどの人材を自前で用意する「インハウス」と、それらを外部企業に委託する「アウトソーシング」の2つがあります。

また、「アウトソーシング」については、オフィス設備やシステムは自社で用意し、管理者やオペレーターのみ部分的に委託をするケースもあります。

コールセンターの運営には様々なリソースが必要となるため、その一部または全部を委託することで自社の負荷を軽減することができるのです。これが、アウトソーシングの主たる目的となります。

1-2.コールセンターを外部委託できる業務は?

コールセンターのオペレーターが担う主な業務は、「インバウンド」と「アウトバンド」の2があります。インバウンドは電話を受信する業務、アウトバンドは電話を発信する業務です。

インバウンド (受電)●商品・サービスの問い合わせ対応 ●商品・サービスの予約/キャンセル/解約などの受付対応 ●修理・故障などの受付対応 ●クレームに関する一次的な受付対応
アウトバンド (発信)●商品・サービスのセールスに関するテレアポ獲得 ●商品・サービスのテレマーケティング(アンケート/アフターフォロー/販売促進など) ●商品・サービスの予約/キャンセル/解約などに対する回答案内 ●お問い合わせやクレームに対する一次的な回答案内

1-3.コールセンターを外部委託するメリットは?

企業は、委託会社を活用することにより、専門知識やノウハウが無くても短期間でコールセンターを立ち上げることができます。また、自社で人材の採用・育成を行うことなく、電話応対品質の高いオペレーターを確保することができます。さらに、繁忙期のみオペレーターを増員することにより、コストの最適化も図れます。つまり、企業はコールセンターの運営に必要となるノウハウ・手間・時間・コストをすべて外注化することによって、自社のコア業務に集中することができ、更なる生産性向上が見込めるのです。

ただし、コールセンターの委託にはデメリットもあります。でも大丈夫!次の章では、デメリットと、その対策方法を解説していきます。

2.コールセンターを外部委託するデメリット10選&対策方法

2-1.自社にノウハウが蓄積していかない

コールセンターを外部委託した場合、実績となるデータは自社にも蓄積していきますが、その結果に至るまでの詳細なプロセスまで把握・管理するのは困難です。また、マニュアルなどは自社と委託先で共有することができても、そのマニュアルを使いこなすためのノウハウなどは共有がしづらいため、自社にノウハウは蓄積していきません。そのため、もし何かしらの理由で委託先が変更となった場合は、急激に売上が下がったり、電話応対の品質が下がってしまったりするリスクもあります。

→対策:結果だけに捉われず、コールセンターの様々な重要指標データがどのような仕組み・影響によって変化するのかを、自社でも分析・把握できる環境を整える必要があります。また、マニュアルやシステムなどは、実際に利用しているスーパーバイザーやオペレーターからの意見を積極的に聞いて定期的にメンテナンスの機会を設けましょう。自社側から委託先に対し、積極的なサポートを行っていくことが大切です。

2-2.直接的な指導改善が難しい

商品やサービスの売上やクレームに関する最終的な責任は、企業が負うことになります。仮に委託先のオペレーターが誤った対応を行ったことでお客様や取引先からクレームが発生しても、企業は委託先の従業員に対して直接的な指導を行うことができません。オペレーターに指導を行うのは、委託先の管理者となります。

→対策:委託先への直接的な指導ができないのはやむを得ないことです。そのため、委託先の窓口担当者、委託先の管理者とのコミュニケーションがカギとなります。

2-3.柔軟な対応が難しい

委託先が行う業務の範囲や期間は、企業と委託先との間で交わす契約によって予め決められています。そのため、イレギュラーな変更依頼に委託先がすぐ対応してくれるとも限りません。例えば、一時的に顧客からの問い合わせ対応(インバウンド)が少ないタイミングが発生したために、急遽、顧客への発信(アウトバンド)を依頼したいという状況が発生しても、事前に契約内容に盛り込まれている内容でなければお願いはできません。

→対策:契約上、依頼できない業務があるのは仕方のないことです。事業の成長や社会の変化に応じてコールセンターが担う業務も少しずつ変化していくため、定期的に業務要件定義の見直しを行う必要があります。

2-4.情報連携ミスのリスクがある

企業は、委託先とのコミュニケーションを、委託先の管理者を通じて行います。ときにはヒューマンエラーなどにより情報連携がうまくいかなかったりすることで、委託先の対応が後手となってしまうケースがあります。また、企業と委託先は異なる企業のため、タイムリーに同じ情報を共有している訳ではありません。そのため、その間のタイムラグが発生し、委託先への伝達が不十分となりミスが発生してしまうリスクもあります。

→対策:企業には機密事項や秘匿性の高い情報もあるため、委託先との情報格差が発生するのはやむを得ないことです。大切なのは、コールセンター運営に関わる大切な情報を、委託先もしくは委託先の管理者に漏れなく伝達し、その管理者や担当者が適切な指示を出せるかどうかです。また、そのスピード感も大切になります。この流れを円滑に行うためのコミュニケーションツール導入を検討しても良いでしょう。

2-5.情報漏洩のリスクがある

コールセンターは顧客情報を多く取り扱う業務となります。顧客情報は委託先と共有することになるため、情報漏洩のリスクがある点は否めません。ひとたび情報漏洩事案が発生してしまえば、莫大な損失や事業継続すら危うくなるリスクまであります。

→対策:委託先を選定する際は、実績・創業年数・取引先企業・プライバシーマークの有無などに注目しましょう。特に、センシティブな顧客情報を取り扱う企業にとっては、どこまでの業務範囲を委託すべきか、そもそも委託を行うべきか、という点も含めてよく検討する必要があります。

2-6.一定のコストはかかる

コールセンターを自社で運営しなくても、専門会社に委託をすれば一定のコストはかかります。委託にかかる費用には、初期費用・月額固定費用・件数や時間に応じて発生する従量課金・人件費などがあります。また、委託する業務の種類によっても金額は大きく変わります。

→対策:少しでもコストを下げたい場合は、複数の委託会社に見積りを依頼し、比較検討するしかありません。

2-7.立ち上げやメンテナンスの準備には労力がかかる

コールセンターの立ち上げ時や業務内容の変更発生時には、企業側でマニュアルの作成・修正などの準備を行う必要があります。また、コールセンターに新たなシステムを導入する際は、企業側もその必要性を正しく理解し、導入のための予算・人員を確保する必要があります。

→対策:委託先にすべて「丸投げ」という訳にはいきません。初めてコールセンターを立ち上げる場合には、コンサルティング会社や委託会社に依頼し、そのノウハウを借りるのが良いでしょう。

2-8.組織としての一体感は生まれにくい

オペレーターの業務は、電話の受発信を行いながらパソコン入力作業を黙々としていくものです。同じフロア内で働いていても、部門を超えてコミュニケーションを行う機会はほぼありません。さらに、委託先に共有できる情報には制限やタイムラグが発生することもあり、同じ情報をタイムリーに共有できるとも限りません。組織としての一体感が生まれにくくなるという点は否めません。

→対策:組織としての一体感を生むための工夫は、様々なプロ―チ方法が考えられるでしょう。例えば、コールセンターの中には、委託会社に自社の従業員を常駐・出向させ、委託先と協働でコールセンターの運営を行っているところもあります。自社の従業員にとっては、コールセンターの運営で得た知見を、営業やマーケティングに生かせるといったメリットもあります。

2-9.高度な専門知識を必要とする業務は不向き

例えば、ソフトウェアシステム・保険や投資などの金融商品・法律相談アドバイス・医療情報など、高度な専門知識が求められる業務内容は、委託には不向きです。これらの分野は、そもそも資格保有者や認可を受けた事業者でなければ行えない業務もあるため注意が必要となります。

→対策:高度な専門知識が求められる業務は、インハウスでコールセンターの運営を行うことを検討しましょう。

2-10.委託先の選定や見極めの手間

コールセンターの委託会社は、数多くあります。もちろん大手に依頼をすれば安心感は得られるものの、コスト面での不安が生まれやすいものです。また、候補となる委託先に見積もりを依頼するためには、自社の商品・サービスに関するさまざま情報を伝える必要があるため、負担もかかってしまいます。

→対策:委託会社を選定する際は、専門性・品質の高さ・実績・料金形態・セキュリティ対策の信頼性などのポイントで見極めを行う必要があります。自社側でも、委託先を決める際の判断基準やプライオリティ・予算・売上目標などを整理しておきましょう。

まとめ

コールセンターの外部委託にはメリットもありますが、多数のデメリットもあります。今回紹介したデメリットや対策方法を参考にしていただきつつ、自社が大切にしている価値観や優先すべきメリットに着目して委託先の選定を行いましょう。

また、様々なサービスがWEB化している現在、コールセンターは企業と顧客をつなぐ重要な役割を担っています。オペレーターは、企業の「顔」として、顧客の生の声を聴く「パイプ役」として、ますます品質の高い電話応対が求められています。

できる限りデメリットを排除し、コールセンターを戦略的・効果的に活用していくためにも、コンサルティング機能も兼ね備えた委託会社を検討してみるのも1つです。


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