昨近、世の中で個人情報の取り扱いの重要性は日に日に増してきています。会社の経営を左右するような事態になることも新聞やニュースなどで見かけるようになりました。
コールセンターという職業柄、個人情報を取り扱う機会がとても多い業種になります。コールセンターにおいて、個人情報の保護への知識は非常に重要です。本ブログでは、個人情報の取り扱いなど、コールセンターでの必要な知識について説明します。
具体的な対策や在宅勤務時の留意点も含め、個人情報の保護に関する知識を習得することで、顧客サービスの質を高めることができます。本記事を参照して、コールセンターでの個人情報保護に万全を期しましょう。
目次
1.個人情報とはどういうもの?
2.コールセンターで気を付けるべき個人情報漏洩リスク
∟2-1.紛失・置き忘れ
∟2-2.人為的ミス
∟2-3.システムの脆弱性
∟2-4.その他一般的なコールセンターのセキュリティ
3.在宅勤務時の個人情報保護対策
∟3-1.コールセンター業務の在宅勤務の現状と課題
∟3-2.在宅勤務時に従業員が守る注意点
∟3-3.会社が用意すべき在宅勤務用の環境や対策とは?
まとめ
1.個人情報とはどういうもの?

個人情報とは、個々の個人に関連する情報であり、氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレスなど、特定の個人を識別することができるデータを指します。この中には、顧客情報や従業員情報も含まれます。
昔は電話帳などというものがありましたが、あれは正に個人情報の塊であり、現代においては見かけることがなくなったと思います。数十年でまさに情報の取扱いに対する考え方がまったく変わってきています。
個人情報は企業や事業主にとって業務を遂行する上で欠かせない情報資源であり、顧客との取引やサービス提供に密接に関わっています。ただし、個人情報の取り扱いには常に慎重さが必要です。
取り扱いの不適切さにより情報の漏洩が発生すると、第三者による不正利用などが起き、顧客の信頼の損失につながります。さらにはお客様へ不利益が発生することがあります。このため、企業は個人情報を適切に管理し、保護することで顧客からの信頼を獲得する必要があります。
2.コールセンターで気を付けるべき個人情報漏洩リスク

ここではコールセンターで気を付けるべき個人情報漏洩リスクについて解説していきます。
2-1.紛失・置き忘れ
コールセンターでの業務では、顧客からの通話やメール対応に伴い、個人情報の管理が頻繁に行われます。このため、個人情報の漏洩リスクが高まり、情報の紛失や誤置に充分な注意が求められます。
具体的には、氏名、住所、電話番号などの顧客情報が入ったUSBメモリや出力した紙の紛失、個人情報が掛かれたメモの置き忘れなどがあります。個人情報が外部に漏洩すると、プライバシーの他にも、企業の信頼に大きく傷つける可能性があります。
最近ではUSBメモリの使用禁止などは当たり前のようにルー・ルカされていますし、メモ紙もシュレッターにかけて処分することはもちろん、そもそもコールセンターの業務エリアから持ち出すことを禁止するなどの対策が取られます。
2-2.人為的ミス
人為的ミスは、企業や組織においてデータ漏洩や情報流出の主要な原因であり、従業員の誤操作や不注意、教育不足が挙げられます。具体例として、社員がメールで誤って顧客情報を送信したり、PCのセキュリティ設定が不適切で不正アクセスによる情報流出が挙げられます。
これらを防ぐためには、企業や組織は情報管理に重点を置き、情報管理対策や社員教育の徹底、定期的なセキュリティチェック、第三者による監査の実施などの対策を講じることが推奨されています。
情報漏洩や情報流出を防ぐためには、全体的なセキュリティ意識の向上と徹底した情報管理が重要であり、事前の対策と定期的なチェック・改善が大切です。
人為的ミスは昔からなくなることが無いというのが業務上の考え方の基本にあり、人はミスをどこかでするものであり、万が一起きたとしても、それを仕組みシステムで対応することが重要だと考えられています。
2-3.システムの脆弱性
システムの脆弱性は、企業がデータ漏洩や情報流出のリスクに直面する重要な要因です。この脆弱性は、主にセキュリティ対策の不十分さやアクセス制御の不適切さ、更新の遅れによる脆弱性への対応不足から発生します。
これらによって、企業は顧客情報を含む重要データの流出リスクにさらされるのです。そのため、情報セキュリティへの取り組みが不可欠といえるでしょう。
具体的な対策として、システム開発時にセキュリティ要件を明確化し、適切なセキュリティ対策を導入することや、システムやソフトウェアの定期的なアップデート、第三者によるセキュリティ監査、そして情報漏洩時の対応フローの整備が挙げられます。
ウイルス対策などは基本として、いたちごっこのようにそれらをすり抜けてくる新しい手法が発見されますので、メールに添付されてくるファイルの処理方法や社員への定期的な知識教育なども非常に重要となります。
これらの取り組みにより、企業はデータ漏洩や情報流出のリスクを低減し、安全な業務運営を実現できるでしょう。
2-4.その他一般的なコールセンターのセキュリティ
その他にはコールセンター業務を実施するエリアや個人情報を取り扱うエリアを入室制限を設けるなどの手段があります。例えば、入退室のログを取ったり、静脈認証や顔認証を用いた鍵を使用するなど、一般社員が入れないセキュリティーも設けたりします。
またコールセンター内をカメラで常時監視したり、作業の手元がカメラに映るように工夫した配置にしたりします。社員を信用する、しないという話ではなく、そういったことができないように仕組みを作っておくことで、お互いの安心につながります。
現代においては、個人のスマホなども十分パソコンに匹敵する機能を備えていますので、コールセンターの執務室内では、個人のスマホの使用を禁止したり、私有物はロッカーに入れて自席にもっていかないなどのルール作りをすることも可能です。
情報に対する安全性を高めることによって、エンドユーザーさま、コールセンター事業者、取引先さまとさまざまなステークホルダーと安心して業務を執り行うことができます。
3.在宅勤務時の個人情報保護対策

ここからはコールセンター業務における在宅勤務時の個人情報保護対策について解説していきます。
3-1.コールセンター業務の在宅勤務の現状と課題
コールセンター業務における在宅勤務の増加に伴い、個人情報保護に関する重要性がますます高まっています。コロナ禍以降、テレワークが増え、個人情報や会社の情報を取り扱うことをどうするかというのは重要な課題となってきました。コールセンターでは特に、顧客の個人情報を取り扱うため、細心の注意が必要です。
在宅勤務では、外部からのセキュリティ対策が不十分である場合や、家族など、第三者が個人情報にアクセスする可能性があります。さらに、業務に使用する機器やインターネット接続環境にも留意する必要があるでしょう。
不正アクセスや情報漏洩のリスクを最小限に抑えるためには、企業は従業員に適切な教育を行い、適切なシステムや機器を提供することが求められます。
3-2.在宅勤務時に従業員が守る注意点
在宅勤務時に従業員が守るべきポイントはいくつかあります。まず、業務用端末でのみ個人情報を取り扱い、私用端末での利用を避けることが重要です。パスワードの設定や定期的な変更も徹底し、他人に知られないように注意を払うことが求められます。
逆に会社から貸与されているPCを個人利用することなども禁じられていることが多いと思います。公私混同しないように徹底することが情報漏洩の防止にもつながります。
さらに、会社から提供されたセキュリティ対策ソフトやVPNを使用し、安全なネットワーク環境で業務を行うことも大切です。個人情報を含む情報は厳重に管理することも欠かせません。
作業場所にはプライバシースクリーンやヘッドフォンなどを用いて、漏洩や盗聴リスクを低減する工夫をすることも重要です。これらのポイントを守ることで、情報漏洩リスクを最小限に抑えることができます。
3-3.会社が用意すべき在宅勤務用の環境や対策とは?
在宅勤務には、まず業務に適したパソコンやデータ管理システムが必要です。企業の業務内容やデータ処理の量に合わせて、セキュリティが整った機器やクラウドサービスを導入しましょう。
重要な情報の入ったPCは会社においてあり、家で使用するPCには情報を残さず、そのPCにオンラインでログインして使用するシンクライアントなども方法もありますし、常時作業内容をカメラで録画監視するソフトなども存在します。
しかしこれらは社員のプライバシーという観点から見た場合に問題もあり、実際に導入するものが社員の同意を得られるのかなど、事前の調整も重要となります。
従業員が安全に業務用データにアクセスできるよう、サイトへの制限やVPNの設定など、環境整備が必要です。研修面では、まず在宅勤務の基本ルールや情報管理方針を徹底することが大切です。
社内で研修を行ったり、必要に応じて外部から講師を招いてセミナーを開催しましょう。そして、個人情報保護に関する法令や社内ポリシーについて定期的に教育を行うことが大切です。
在宅勤務に関しては、まだまだどの会社も手探り状態でこれが一番という決まった形はないのではないでしょうか。常に情報を集めつつ、他社の動向などに注意を払うことも大切です。
まとめ
個人情報保護対策は、企業が信頼性を高め、顧客満足を向上させるために必要な要素です。 適切なシステムと設備を導入し、従業員の教育や研修を通じて情報漏れのリスクを最小限に抑えましょう。 今回の情報が参考になった方は、ぜひ個人情報の保護に役立ててください。
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